• 支援をつなげる

皆さんは被災地では、被災した後、どんな生活を送られているが想像したことがあるでしょうか。

能登半島地震では、多くの地域で仮設住宅が建設されています。
そこで、新しいコミュニティができ、新たな生活が始まります。

一方で、その変化に慣れるまでに時間を要する方も少なくありません。
皆さんも想像してみてください。
知らない場所に引っ越しをして、勝手が変わるストレスに加え、心のダメージもあり
生活再建への手続きや考えなくてはならないたくさんの決め事があり、
さらに仕事を失ったり、大切な家族や友人を失ったり、幾重にも波となってのし掛かります。

終わりが見ない不安に、どう寄り添えることができるか。
HOJでは、寄り添う支援とは何かを今回、とても考えさせられました。

スタッフの支援での想いを紹介します。

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訪問した時、3〜4人の高齢の方が住宅のベンチに腰掛けて談笑していました。
天候によっては、家に閉じこもり会話もない日が続くと感じました。もし、敷地内にコミュニティの場を設けていたら、悪天候でも、みなさんの憩いの場になると思いましたが、なぜか、仮設住宅には集会所がありませんでした。

集会所があれば、その場をお借りして保健所から保健師が訪問して
健康面も見ることができる。他にも、行政のラポールもできる。
小中学生には、居場所になる図書館があればとも思いました。
仮設住宅のあり方は、そこでの生活の質を考えて欲しいです。

能登島を訪ねて発災後、住民の大変な生活をお聞きしました。
断水から洗濯をするため島から車で七尾のコインランドリーに2時間以上かけて通ったことや、お風呂も9ヶ月経った今ようやく再建したこと。
住民の高齢化が進み倒壊した自宅を解体する公的支援が少ないこと。
あるご夫婦から、臨時特例給付金が出るが、新しく建て直すには費用が足りない。
敷地内にあった離れを廃材を使い自力で住めるようにしていた。
その方は、これから燃えない廃材を使ってコミュニティの場所を作りたいと話していました。
地域のためを考えていて素晴らしい方だと感動しました。

今回の支援から、東日本の震災復興と能登震災復興の違いを感じました。
東日本の復興は大規模な復興を進めていますが、能登震災はまだ道路も整備されていないところもあります。
交通安全のためにも早い復興を願いたいです。
そして、自分達のすみ慣れた土地や農業・漁業などを守っていきながら生活を取り戻して欲しいと切に願います。

奥平 啓子